うっかりしていたと、自分でも思う。悪かったと謝っても、手遅れなのだろう。
アイザック視点
弟弟子達にトラブルが何か起きたらしいが詳しくは俺は知らない。
は氷河に話しかけようとここ数日頑張っているが無視され続けている。
どちらが悪いのかとに聞けば、自身だと彼は言ったがそれ以上の説明はなく。氷河は俺には関係ないと最初から突っぱねてきた。
詳しいこともわからないとなると何も言えないと最初はどちらの味方もする気もなく傍観をしていたが、少しも修復する様子のないことに、そろそろ何か言ったほうがいいだろうかと思い始めてきた。
食事を終えた氷河に話しかけるだが、今夜も無視されてしまう。
が何をしたのかはわからないが、氷河が無視し続けていて何も変わることはなさそうだ。
「」
「心配をかけて、ごめん」
名前を呼べば気まずそうに視線が下へと逸らされて謝られる。
別に俺は謝ってほしくて話しかけたわけじゃない。
事情を知らないことで疎外感を感じてはいるが、心配をかけないようにとは話さないのだと思う。
「何があった?」
「氷河にとって大切な物を踏みにじってしまったから私が悪いんだ」
「そうだとしても無視をするのは駄目だ。氷河にオレから……」
何度かした問いかけにもいつもと同じ答え。今まではそれで引き下がっていたがそれでは変わらない。
いつもよりも踏み込んだことを言えば俺からは言うなという言葉で苛立つのは頼りにされていないと感じているからか。
自分自身で解決したいと言うに思わず、言うつもりのないことを言ってしまう。
「何を言ってる。そろそろカミュが帰って来るんだぞ! 心配をかける気か?……」
カミュに心配をかけたくないという気持ちは本当でも、それでを批判したいわけじゃなかった。
口から出てしまった言葉に言い訳も出来ず、続く言葉がなくなっていると。
「心配はかけたくないよ。でも、私と氷河で話し合わないといけないことだ」
下げていた視線を上げて真っ直ぐに俺を見て言ったその様子に今までは違うものを感じ。
「……わかった。今日は俺が皿洗いをしておくからは氷河と話し合って来い」
「ありがとう」
今度こそ二人で解決出来るだろうとを送り出す。
が何かをしたのだとしても、誤解が積み重なって拗れているだけでまた元のように修行が出来るはずだ。
そう信じて俺は待つことにした。その決意を後悔することになるとは知らずに……