空が青ざめていると囃したのは、どこの誰であっただろうか。

氷河視点


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聖闘士になる為にマーマが眠る地に帰ってきた。
聖闘士になれればマーマをあの冷たい海から引きあげることができる。
師となるのはカミュという人で他に二人の弟子がいること、
二人には先生と呼ばれているということを教えてくれた。
二人のことを話す彼の様子は嬉しそうで二人に会うのが少し楽しみになった。
だけど、兄弟子となる二人は対照的だった。
アイザックは歓迎してくれるとわかる笑顔で話しかけてくれたけど、もう一人の兄弟子であるは睨みつけるようにこっちをずっと見ているのは気に入らないと思っているのかもしれない。
そのせいで挨拶してくれた時の笑顔がうそ臭く見えて涙が出そうになって俯いてしまう。
マーマのために強くなろうと修行をするのになさけない。
「アイザック、。今日は氷河に修行の様子を見せようと考えている」
先生が俯く俺の背を軽く叩いた。
「はい。先生」
「……はい」
兄弟子二人は頷くと離れていく。
アイザックは振り返るとこちらに手を振ってくれたけど、
もう一人の兄弟子は進む先を見て振り返ってはくれない。
その背が遠くて胸が痛くなって何だか悲しくなかった。



二人の組み手はすごかった。
お互いがお互いの動きを読んで攻撃しては避けられ、避けられれば攻撃してというその舞いの様な俺には出来ない動きをしている二人に俺はみとれていた。
「氷河、お前も二人に追いつかねばならないぞ」
「はい!カミュ先生」
先生が二人を見ていた俺に声をかけてきた。
二人に追いつかねばっと彼が言うのなら俺はいつか二人に追いつけるのだろう。
そして二人とあんな風に組み手をするんだ。
そうしたら彼も俺のことを認めてくれる。

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