夢の歯車
序章〜模造品〜
神は自らの姿に似せて人を創造したという。
神に生み出された人は今、様々な物を創り出している。
――…まるで天地を創造した神のように。
人が神の模造品であるというのなら何かを創造することは当たり前のことであるのかもしれない。
そして、人は創造の究極の形とも言えるだろうロボットという存在を創造し始めた。
人の姿に似せられた彼等は人を超える力を持ちながらも人に従うあまりにも矛盾したその存在を。
人と共にいるように……。人の供になるように……。
しかし、人はその存在を求めながら恐怖するのだ。
人を傷つける事のないように彼等に枷をしたというのに、その枷がいつ外れるかと。
……人の友とも人の敵ともなり得る存在を恐れていた。
それでも、人は人よりも完全である存在を求めてしまうのだろう。
不完全なる人は完全を求め。
己よりも完全に近きものに嫉妬する。